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インフルエンサーを広告塔にした借り入れ詐欺事件についてまとめてみた

2023年10月19日、京都府警は不正アクセス禁止法違反と窃盗の容疑で男を逮捕したと発表しました。男はSNSを通じて消費者金融に誘導し現金をだまし取るいわゆる借り入れ詐欺を行っていたグループの一員とみられています。ここでは関連する情報をまとめます。

借り入れ詐欺の被害多数 組織的な犯行か

  • 男の逮捕容疑は2023年5月30日に何者かと共謀し群馬県の女性が登録した個人情報を使用してスマートフォンアプリにログインし、コンビニのATMから女性名義で20万円の現金を引き出した不正アクセス禁止法違反と窃盗の疑い。男は取り調べに対し全く身に覚えがないと容疑を否認している。
  • 男が被害女性へ行っていた手口は借り入れ詐欺(または副業詐欺)などと呼ばれているもので岐阜県など若者を中心に同様の被害が複数確認されており、*1 過去にも被害事例の報道がされている。*2 *3 京都府警によれば被害総額は少なくとも約100万円で、さらに摘発した男はグループの一員であり組織的な犯行の可能性があるとみて捜査をすすめている。
  • 男らのグループはSNSでの拡散を目的にインフルエンサーに依頼し投稿を行わせていたが、インフルエンサーに対しても報酬は支払われておらず、またインフルエンサー本人も苦情を受け不正に気付き事件へ関与した認識がなかったことから立件はされない見通し。男らは複数のインフルエンサーに対して同様の広告投稿の依頼をかけていたとされる。*4
  • 2023年に入ってから被害相談が国民生活センターにも相次いでいる。消費者金融会社はこのような詐欺の発生を受けて注意喚起を行っている。日本貸金業協会によれば、自身でID、パスワードを伝え借り入れが行われていた場合、本人がだまされて行っていたとしても借入した融資に対する返済義務は残るとの見解を示している。*5
  • レイク

スマートフォンにショートメッセージサービス(SMS)で届いた承認コードのスクリーンショットを送るように指示された。

  • アイフル

WEBやSNS等で広告手数料が入るなどのアルバイトを称し、指定された銀行口座でアイフルと契約することを指示された。

  • アコム

WebサイトやSNS等で副業やアルバイトと偽り、登録料/初期費用やサポート費用の名目で消費者金融への申し込み及び借入れを指示する事案が発生しています。つきましては、第三者から依頼されて契約することや、IDやパスワードなどの個人情報を渡すことは絶対にしないようお願いします。

インフルエンサーに依頼し偽広告拡散

  • 男はまずSNSで影響力(フォロワー数が14万以上)のある人(インフルエンサー、読者モデル)に対して、自身のSNSを通じて広告を行うよう依頼を行っていた。依頼をかける際はポイントをためて特典を得られるサイト運営企業からの依頼と騙り、LINEのURLを張り付けた投稿を行うよう指示。持ち掛けられた報酬は1投稿あたり十数万円を支払うというもの。男が用意した画像の使用など投稿に際して具体的な指示が行われ、インフルエンサーは(虚偽の)キャンペーン情報を投稿する。男が持ち掛けていたキャンペーンは「アンケートに回答すると5万円がもらえる」という内容だった。*6
  • キャンペーンの投稿を見たフォロワー(群馬県の女性)は男が開設したLINEグループへ登録。LINE登録後は男とのやり取りが開始され、男からキャンペーン応募に必要な作業だとして消費者金融への借り入れを申し込むためのURLが送られてくる。その際実際に借り入れは行わないなどと伝え女性をだましていた。
  • 女性は男に指示されたIDとパスワードを使用して消費者金融のアカウントを開設。現金を引き出すにはワンタイムパスワードも必要だが、女性は借入上限額やワンタイムパスワードが表示されたスマートフォンの画面をスクリーンショットし、男に送っていたとみられている。*7
  • 男は女性になりすましてスマートフォンアプリでログインを行い勝手に借り入れを行いATMで引き出しを行っていた。女性は消費者金融からの借り入れ受付の連絡を受け被害に気付いたが、キャンペーンで紹介されていたような報酬の支払いは行われなかった。
インフルエンサーを広告塔にした借り入れ詐欺の流れ

更新履歴

  • 2023年10月20日 PM 新規作成

*1:,日本経済新聞,2023年10月19日

*2:,毎日新聞,2022年12月29日

*3:,東京新聞,2023年8月3日

*4:,毎日新聞,2023年10月19日

*5:,NHK,2023年10月19日

*6:インフルエンサーに対し持ち掛けられていた報酬について過去の同様事例では、固定報酬として1投稿(Instagramのストーリー投稿)あたり10万円、成果報酬としてLINEへ参加した人数あたり1万5千円を最終の投稿を行った日から10日後に指定口座へ振り込むというものだったが、今回同様に実際にインフルエンサーに対して支払われることはなかったとみられる。

*7:,産経新聞,2023年10月19日